初盆とは、故人が亡くなり四十九日法要が済んで初めて迎えるお盆のことです。
主に西日本では初盆(はつぼん)、東日本では新盆(にいぼん・あらぼん・しんぼん)等、地域によって呼び方が変わります。
初盆にはお香典やお供え物をいただくので、お返しをすることになります。
お返しにふさわしい品物の選び方、のしやお礼状の書き方はどのようにするべきなのか気になりますよね。
そこで今回は、初盆でいただいたお供えのお返しについてお話しします。
初盆のお供えのお返しは何がいい?
初盆は、僧侶をお呼びしてお経をあげてご供養する事が多く、お香典やお供え物をいただくことになるので、お返しをします。
地域の風習によって異なることもありますが、マナーとしても感謝の気持ちは伝えるべきでしょう。
お返しの金額の相場は、いただいた金額の3分の1~半額程度が一般的です。
お返しは1,500~2,500円程度の品物
【3,000円相当のお供えの場合】
お返しは1,000~1,500円程度の品物
お返しに人気の品物は次のとおりです。
◆食べ物
- お菓子
- お茶
- コーヒー
- 海苔
- 調味料
- そうめん
- ゼリー
など日持ちのするもの
◆生活用品
- タオル
- 石鹸
- 洗剤
など消耗品
残しておく物ではなく、なくなる物(消え物)が良いでしょう。
また、最近ではカタログギフトも人気のようです。
贈られた側が自由に品物を選ぶことができるので、喜ばれます。
いずれの場合も、相手の気持ちに立ってお返しを選ぶことが大切ですよね。
感謝の意を込めてお返ししましょう。
初盆のお供えのお返し のしの表書きの書き方
お返しの品物には必ずのしを付けます。
のしの種類は地域のしきたりもあるので、お住まいの地域の方に確認すると安心ですね。
水引は関東(東日本)では黒白の結び切り、関西(西日本)では黄白の結び切りを使うことが多いようです。
表書きや名前を書くときは薄墨ではなく、濃墨を使用します。
【表書きの書き方】
- 志
- 御新盆志
- 御初盆志
- 新盆志
- 初盆志
- 粗供養
関東では「志」、関西では「粗供養」が多いようです。
【名前の書き方】
のしの下段に施主(送り主)の名字を書きます。
○○家と書く場合もあるようです。
同姓の名字が多数あるような地域の場合は、名字だけでは誰からかわからないので、全名(フルネーム)書くようにしましょう。
初盆のお供えのお返し お礼状の書き方例文
初盆の後日にお返しを配送する場合や、遠方で参列はされずお供え物を送ってくださった方にお返しを配送する場合にはお礼状(挨拶状)を添えましょう。
手書きの方が丁寧で気持ちもこもりますが、数が多く大量になる場合には印刷でも構いません。
以下に、お礼状の例文を紹介しますのでご参考ください。
ご挨拶
このたびは故○○の新盆を迎えるにあたりご丁寧にお心遣いいただきましてありがとうございました
故人もさぞかし喜んでいると思います
私からも厚く御礼申し上げます
つきましてはささやかではございますが新盆の供養のしるしとして心ばかりの品をお贈りさせていただきます
どうかお納めくださいませ
本来ならばお目にかかりお礼を申し上げるべきところでございますが
略儀ながら書中をもちましてお礼のご挨拶とさせていただきます
令和○○年○○月○○日
○○○○(施主名)
拝啓
時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます
この度の父○○の初盆に際しましては過分なる御厚志を賜り誠に有難うございました
おかげさまで初盆法要を滞りなく済ませることができました
つきましては初盆供養のしるしとして心ばかりの品をご用意させていただきましたのでお納めくださいますようお願い申し上げます
残暑厳しきおりくれぐれも御自愛下さい
略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます
敬具
令和○○年○○月○○日
○○○○(施主名)
「拝啓」で始まる文章は「敬具」で終わります。
「拝啓」を使わないのであれば「敬具」を使う必要もありません。
堅苦しい文面にしたくない場合は、適度にご自分の言葉に直してくださいね。
メール等でのコミュニケーションが増えているので、ついお礼もメールで済ませてしまいがちですよね。
親しい間柄であればメールでも構わないのですが、目上の方へは書面でのお礼状をお出しした方が良いでしょう。
どのように書いたらいいのか悩むところですが、たとえうまく書けなくても気持ちのこもった文面にすることが大事です。
まとめ
初盆(新盆)にいただいたお供えのお返し、のしやお礼状の書き方についてご紹介しました。
初盆は日常的にあることではありませんが、覚えておきたいマナーのひとつですよね。
私自身の備忘録としても記しておきました。
どなたかのお役に立てると幸いです。